アメリカの社会は1980年代に大きく変わりました。今盛んに言われている社会格差が拡大を始めたのです。それでは、格差の拡大とは、一体どのようなことを言うのでしょうか? そしてその格差の拡大は、どうして始まったのでしょうか? その格差は、誰もが言うように悪いことなのでしょうか? あるいはそれを是正する道は、どんなものがあるのでしょうか?
アメリカの格差拡大を悪しざまに批判する声が大きくなる一方で、これらの真実を求める疑問に応えようとする努力を日本の官僚や、政治家や、あるいは経済学者が行っている気配はありません。アメリカの強欲な金融資本が、自分たちだけの利益を追求しているからだとばかり批判するのですが、そしてそのことには一理あるのですが、それが最も重要なことではありません。それだけのことなら、アメリカ人自身が、もっと早くからその解決策を講じていたことでしょう。
アメリカ人を強欲者呼ばわりするというだけでは、アメリカの実情をタネにして、日本の現状を振り返って客観的に見直してみることはできません。そして、日本の停滞する現状を解決する道を見出すことはできません。私は、これから、上に挙げた質問に応えられるよう、アメリカの格差拡大の様子を“科学的に”分析していこうと思います。
2017年1月4日初アップ 20〇〇年〇月〇日最新更新
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